今回の旅行の中程に私達はモロッコにあるフェズを訪れた。スペインから船でタンジェまで渡りそこからまた車で4時間揺られたところにある街だ。その街は私の予想を遥かに超えていた。フェズについてすぐ次の日、私達はガイドの案内で迷宮都市と呼ばれるメディナ(旧市街)へ向かった。
そこで見たものはあまりにも衝撃的であった。それは私が今まで見てきた街の常識を遥かに超えていた。先ずメディナの中に入るとガイドの案内で狭くうねった下り坂を歩いてゆく。道の脇の建物には所狭しとお店が並び、どこで買い物をすればいいのかもわからないくらいだ。異世界のような街並を見学しながら歩いていると時間を忘れるようだ。気づいたころにはお昼の時間になっていた為、私たちはガイドの案内によってメディナで一番おいしいというレストランに入った。モロッコへ渡ってからあまりまともな食事をしていなかった私はそこで出た料理に驚かずにはいられなかった。そこはモロッコの伝統的な料理を振る舞う店らしいのだが、そこの前菜として出たサラダは素晴らしい味であった。サラダとは言え様々な料理が小皿に入って登場するのだが、それだけで十分なくらいのボリュームがあり様々な味が楽しめメインがくる前にお腹が一杯になってしまったくらいだ。当然メインも美味しかったのだが、やはりモロッコ料理というと私は前菜のサラダの方へと目が向いてしまう。
さて食事が終わり午後になってからは本当に様々な所を歩き回った。途中絨毯を作っているお店や、動物の皮を使って様々なものを作っているお店の中を見学したのだが、私はそこの製品よりもその建物やそこから見える風景の方に終始目が行きっぱなしだった。モロッコの家は外から見ると隣り合った家がすべて隙間無く繋がっている為、家の大きさが全くわからない。しかし中へ一度足を踏み入れると、これだけ入り組んでいる狭い通りに面している家の中がここまで大きいのかと感心する。どの家も天井が非常にたかく家の真ん中に大きな吹き抜けがある。日本とあまりにも違ったその風景や習慣には本当に驚かされる。
このような私達から見たら常識からかけ離れているような暮らしが向こうでは当たり前のように常識となっている。今、未来に対して危機感を感じずに暮らしている多くの日本の人々にこそ自分達の常識が世界においてどのようなものかということを、このような国々へ旅行することによって知っていただきたい。