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僕が「クック諸島へ行ってきた。」と言ったら、ああ聞いたことがあるけど、どこにあるの?と聞かれる。
ハワイがどこかは、ほとんどの人が知っているけど、日本人はクック諸島のことを知らない人が多い。
聞いたことがあるという人はキャプテンクックの名前が有名だからなんだろう。

じつは経度でいえばクック諸島とハワイは同じ場所にある。
だから日本との時差も同じである。そのせいでもないだろうが住民もハワイのネイティブとかわならいし、
言葉にも共通点がある。
僕はハワイには100回以上出かけているので、実感としてそれがわかる。

僕は戦前のハワイは知らないけれど、いい意味で昔のハワイを感じさせる島がクック諸島である。

クック諸島は時間がゆっくりと流れていて、それはハワイどころの話ではない。
90%以上が純粋のネイティブだということが理由かもしれないし、
町で行き会う多くの人が知り合いだと思えるのは住民の繋がりが濃いからでしょう。
一番大きなラロトンガ島だって11,000人に過ぎないし、首都にさえ信号がなく、
公園には鶏が雛鳥をつれて歩き回っている。

そういえば空港にも鶏がいるのをみかけたし、
街中でも、畑の中でもあちらこちらによくいた。
ガイドに、「この島には鶏がやたらに多いけど、だれのものなの?」と尋ねてみたら、
ガイドが曰く、「誰のものでもないよ、だから誰がとって食べてもかまわない」と。
はじめは、そんなことなんてと、ガイドの言葉を疑ったけど、
あとでそれが本当のことだと知ることになる。
翌日の午後、キャッサバイモの畑で子供が鶏を捕獲するための罠を仕掛けており、
長い紐をもって、鶏がかかるのを待っている少年を僕は見たのである。

この島の住民は実にひとなつこいし、旅人にも親切だ。
どこを訪れても笑顔がたくさんで、嫌な思いなどしたことがない。
のんびりした生活のリズムさえ理解してあげれば、時間通りに物事が運ばなくても別にイライラすることもない。

首都にある港を訪れてみた。
漁師の船とスポーツフィッシングのボートが繋がれている。係留してある船の下を大きな影が行き交っている、
「あれはかなり大きな魚のようだけど、あれはなに?」とガイドに尋ねたら、
「ああ、あれはGT(ジャイアント・トレバリー)だよ。」と返事があった。
有名なゲームフィッシュで釣り人が挑戦する大型の魚だけど、港にこの魚が居ついているのは、
漁師が捕れた魚の余りをわけてやるかららしい。

ガイド曰く、「この港に住んでいるGTは、みんなのペットなんだよ。」と。
そんなこともあり、お昼には魚を食べたいということになり、
まずは魚屋さんを見に行くことになった。
この島の人は魚をよく食べる、イカマタという伝統料理もあるが日本の刺身みたいにして
ココナッツミルクでマリネして食べるものだ。
つまり、この島の人は新鮮な魚しか食べないという証でもある。
魚屋で何が売られているのかを見たら、大きな魚の切り身しかなかった。
小魚は海辺で誰でも釣れるから、魚屋で扱っても買う人なんていないからだと言われた。
棚の氷の上にはマグロの仲間、シイラ(マヒマヒ)などの魚だけが売られていた。

さっそく 海辺のレストランで魚を食べてみた。
僕はキハダマグロのステーキを注文して、ほどなくして料理が運ばれてきた。
分厚い大きな切り身が程よく焼かれて出てきたので、さっそくナイフを入れてみたが、
真ん中がピンク色に残されていたのである。
この島の人は、魚のことをよくわかってるんだと感心した。
それ以降はこの島に滞在中は毎日のように魚の料理を食べたが、飽きずに色々な魚料理を堪能できたのである。

ラロトンガ島にはおいしい料理を出すレストランがたくさんあり、
おなじ南太平洋のタヒチなどに比べたら値段もそんなに高くないので、お勧めです。
食事の際に、ぼくはビールを飲むことが多いので島だけで作られている地ビールを頼んでみた。
「マトゥ」というブランドでペールとラガーが瓶詰だけで作られている。
試飲してみたが、僕が世界で飲んだ地ビールの中でベスト3に入ること間違いなしというほどうまい!
この島には輸入されたビールもたくさんあるけど、この島では「マトゥ」にかなう味の輸入されたビールはない。
製造する数がすくないせいか、この銘酒は地元のレストランでしか飲むことが出来ない。
お土産に買いたくても、このビールはスーパーには置いていないのである。

南太平洋で首都がある島のなかで一番海がきれいな島、それがクック諸島。
他の多く南太平洋のの島は首都のある本島を離れて他の島に行かないと写真でみるようなきれいな海辺はあまりない。
でもクック諸島は首都のあるラロトンガ島のどこの海辺もすばらしい、それだけ自然が手つかずで残されれている
ということだろう。

ラロトンガ島にある海辺のホテルのラグーンは青いプールのようだ。
ほとんどのホテルは水際にできており、その前はラグーンのある海で、しかも水はあくまでも澄んでいる。

この島を訪れる観光客で一番多いのはニュージーランドからの人たちで、そのために様々なタイプの宿泊施設が完備している。
長期用のバンガローからラグジュアリーなホテルまで、規模は小さいけれどゆったりしたスペースで贅沢な宿もある。

それでもクック諸島で世界で一番のサンドバー(白い砂浜で)あるアイツタキ島だけは ぜひ訪れてもらいたい。
アイツタキ島は日帰りでもラグーンの美しさを十分に堪能できる。
サンドバーはヘブン(天国)とも言われ、水深がひざ下までのラグーンを歩くと、この世のものとは思えないほどだ。

大自然のままの深い緑の山々、島の周囲の浜辺はほとんどがラグーン、どこまでも続く白い砂浜、人懐こい島の人たち。
心癒される南太平洋の最後の楽園、それがクック諸島です。

日本旅行作家協会会員 迫田 健路

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