フランス
ワイン王国・フランス。
国内の広い範囲でぶどう栽培が行なわれており、多様な気候が存在するため、
各地で特徴の異なる様々なワインが造られています。
2大生産地のブルゴーニュ、ボルドーや祝典に欠かせないシャンパーニュなどが有名です。
ブルゴーニュ地方
複数品種のブレンドではなく、1つの品種のみで造るのが特徴のブルゴーニュワイン。
基本的に、赤ワインは「ピノ・ノワール」、白ワインは「シャルドネ」が使われますが、ぶどうが栽培される村や畑の土壌や気候によって味わいが違ってくるので、飲み比べも楽しめます。
ローヌ地方
フランスの南北に流れるローヌ川周辺の地域。大きく北と南に分けられ、北は穏やかな大陸性気候。急斜面でぶどうを栽培し、基本的には1つの品種のみでワインを造ります。
一方、ローヌワインの80%を占める南は温暖な地中海性気候。平野部でぶどうを栽培し、複数品種をブレンドして造ります。
ボルドー地方
2種類以上の品種をブレンドし、複雑で豊かな味わいのワインを造るボルドー。メドックの5階層制やサン・テミリオンの2(3)階層制など、地区によって独自の格付け制度が設けられているのも特徴です。
その生産量の90%近くは赤ワイン。極甘口の貴腐ワインも有名です。
ロワール地方
ロワール川流域、産地は東西に広がり地区ごとの土壌や気候によって様々なワインが造られるため、白、赤、ロゼ、スパークリング、貴腐ワインなど、品揃えは国内随一です。
特に白ワインの生産量はフランスで一番。ライトで口当たりが良く日本でも広く出回っています。
シャンパーニュ地方
発砲ワインの名産地。
ワインをガラス瓶内で二次発酵することで炭酸ガスを発生させる伝統的な「瓶内二次発酵製法」で造るのが特徴です。
この地方で伝統的な製法で作られたワインだけが、「シャンパーニュ/シャンパン」と名乗ることができます。
アルザス地方
最も雨の少ない生産地。ドイツとの国境沿いにあり、白ワインが多く、フルート型のボトルを使用、単一品種で造るなど、ドイツワインとの共通点が多くあります。
ドイツワインと異なるのは、ほとんどが辛口であること。華やかな香りで繊細な味わいのぶどうが主流です。
イタリア
フランスと1・2を争うワイン生産国のイタリア。
20州すべてで赤・白・ロゼ・スパークリングと個性豊かなワインが作られています。
品種は「サンジョヴェーゼ(黒)」「アリアニコ(黒)」「ネッビオーロ(黒)」「トレッビアーノ(白)」など、イタリア土着種のぶどうが多く使われています。
イタリア北部
冷涼な地域で白ワインの生産が盛んな州が多いのが特徴。また、「バローロ」や「バルバレスコ」などの、高級赤ワインの産地として有名なピエモンテ州(州都はトリノ)も北部に位置します。
他にも、瓶内二次発酵製法スパークリングワインのロンバルディア州(州都はミラノ)、20州の中でワイン生産量No.1のヴィネット州(州都はベネチア)、微発泡性赤ワイン「ランブルスコ」のエミリア・ロマーニャ州(州都はボローニャ)などがあります。
イタリア中部
中部は西のティレニア海側と東のアドリア海側に分かれます。最も有名なのは、ティレニア海側のトスカーナ州(州都はフィレンツェ)。サンジョベーゼ種で作る「キャンティ・クラシッコ」や「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」の他、フランス系品種で造るスーパートスカーナなどが有名です。
他には、ラッツィオ州(州都はローマ)のカジュアルな白ワイン、アドリア海側アブルッツォ州の赤ワイン「モンテプルチアーノ・ダブルッツォ」などがあります。
イタリア南部
温暖で日照量に恵まれた地域で、赤ワインが多く造られています。
シチリアやサルディーニャなどの島々もこの地域。エトナ火山をシンボルに持つシチリアでは、標高の高い地域でぶどう栽培をすることで、カジュアルな価格で良質なワインを造り出しています。
また、酒精強化ワインの「マルサラ」も有名。サルディーニャでは白ワインの他、カラスミやワインコルクを生産しています。
スペイン・ポルトガル
【スペイン】
世界第3位のワイン生産国・スペイン。
生産地は国内に広く分布していますが、特に北部のリオハは品質が高いことで知られています。
また、赤ワインの生産が最も多いですが、カヴァなどの瓶内二次発酵製法スパークリングワイン、シェリーなどの酒精強化ワイン、サングリアなどのフレーバードワインと、様々なタイプのワインが製造されています。
【ポルトガル】
夏は昼夜の寒暖差が大きいため、良質なぶどうが育つポルトガル。ヨーロッパで最も長いワイン生産の歴史を持つ国の1つです。日本に初めて伝えられたぶどう酒「珍陀(ちんだ)」もポルトガルの赤ワイン。
醸造過程でアルコールを添加することでアルコール度数を高めた酒精強化ワインの生産が盛んで、ヴィーニョ・ド・ポルトの「ポートワイン」、マデイラの「マデイラワイン」は世界3大酒精強化ワインとされています。
アメリカ
アメリカは、フランス、イタリア、スペインに次ぐ世界第4位のワイン生産国。
その9割がカリフォルニアワインです。
中でも、サンフランシスコ周辺の地域には有名な産地が多く、ナパヴァレーでは「シャルドネ」「カベルネ・ソーヴィニヨン」「ピノ・ノワール」などの高級ワインが生産されています。
ナパヴァレーの赤ワイン、ソノマの白ワインは品質が高いとして有名です。
オーストラリア・ニュージーランド
【オーストラリア】
広大なオーストラリアの中でもぶどうの栽培に適しているのは、「世界一住みやすい街」として有名なパースが位置する西海岸から南の地域のみ。
代表的なのは黒ぶどう品種の「シラーズ」。甘く香ばしい香りを持ち、アルコール度数の高い力強いワインになるのが特徴です。他にも、「シャルド」や「ピノ・ノワール」「リースリング」といった品種も生産されています。
【ニュージーランド】
北から南まで、各地域に広くワイン生産地が点在しています。
最大の生産地は、南島のマルボーロ。
1973年に植えられた白ぶどう品種の「ソーヴィニョン・ブラン」は国際的に評価されています。酸味が強く爽やかで、魚介類やチーズと合う味わいです。